the band apart『街の14景』2013-05-30 01:46

 4月後半には出ていたのだが、昨日ようやく入手。the band apartは日本のインディーズ・バンド。音楽に詳しい若手の同僚に教えてもらい、気に入ってずっと聴いている。ギター、ヴォーカル&ギター、ベース、ドラムの男性4人組。高いテクニックに裏打ちされたきらびやかで軽やかなギター、ずんずんごりごりと力強く押しまくるベース(好きなベーシストはクリス・スクワイアだそうだ)、前のめりのビートで曲をぐいぐい引っ張るドラム、伸びやかなヴォーカル、すべてが素晴らしい。時にはプログレっぽく、時にはポップ、時にはハードで聴く者を飽きさせない。すべての曲を英語で歌っており、年配の洋楽ファンにもお薦め……だったのだが、さて、今回は実は初めて全曲日本語で歌われており、新たな展開を見せている。

 日本語のせいなのか、皆が作曲に参加したせいなのか、明らかに曲に広がりが出てきている。ポップになった曲もあれば、「師走」のように逆によりハードな展開を見せる曲もあり、バラエティに富んだアルバムとなった。従来のファンはえ、これもバンアパなの? という感じだろうが、これはこれでいいのではないだろうか。私は断固この方向性を支持したい。同じことばかりでは結局飽きられてしまうし、ファン層も広がらない。メンバーは不動であるし、曲の核は一貫しているので、バンアパらしさはちゃんと残っている。とにかくかっこいい音なので、知らない人はだまされたと思って一度聴いてみて。