ロッド・スチュワート&フェイセズ「ライヴ」2013-05-23 21:18

 たまには音楽の話も書こう。昔からロッドの初期アルバムは大好きでよく聴いていた。曲で言えば、「マギー・メイ」「ユー・ウェア・イット・ウェル」あたり。アルバムで言えば「ガソリン・アレイ」よりも「ネヴァー・ア・ダル・モーメント」が本当に好きで何度聴いたかわからない。その後、プログレに凝ったこともあるし、アメリカに渡ってからのロッドの曲にはあまり魅かれなかったこともあって、CDはすべて売ってしまった。その中にロッド・スチュワート&フェイセズの「ライヴ」(1973年)もあったはずだ。山川健一が何かの雑誌で褒めていたのが気になって、輸入CDを買ってきたのだと思う(当時はこまめにCD屋を回っていた)。今に至るまで日本版は出ておらず、アマゾンでは、このCD、とんでもない値がついている。

 バンド・メンバーはロン・ウッド(g)、ケニー・ジョーンズ(dr)、イアン・マクレガン(key)、山内テツ(b)。つまりはフェイセズからロニー・レイン(b)が抜けて山内テツが加入した直後のライヴというわけだ。バンドの息はぴったり合っており、ラフな感じでありながら、きっちりと聴かせどころは押さえており、このバンドの良さが最大限発揮されている。メンバーのソロも生き生きとしており、会場と一体となって皆が楽しんでいるのがよくわかる。ロッドのソロアルバムからの曲も多く、「マギー・メイ」こそ入っていないが、ロッドの初期ベストアルバムとしても十分通用する選曲だ。「ジェラス・ガイ」のカバーはアルバムでも聴けるが、こちらの方がこなれた演奏で絶対にアルバムよりも出来がいい。全体を通して、ギター・ソロもいいけれど、マクレガンのピアノがバンドのキーを決めている印象を受けた。シンプルであるが故に何度聴いても飽きが来ない(いや、売ってしまったということは当時は飽きていたんだろうが)。20代ではこのアルバムの真の良さがわからなかったんだろうなあ。ああ、売るんじゃなかった。知り合いのカセットテープをA/DコンバーターでPCに取り込み、CDに焼いて聴きながら、若さゆえの過ちを悔いる今日この頃であった。