ミューコン15(ダイナコン21)レポート2012-10-23 16:37

 10月20・21日に開かれたミューコン15(ダイナコン21)にゲスト参加してきました。遅ればせながらレポートです。場所はいつもの五色園。今年はミュータンツ誕生50周年ということで、久しぶりに若尾天星さんが実行委員長を務めるミューコンとダイナコンの同時開催ということです。

 最初に地元名古屋出身の落語家、立川三四楼さんの落語が一席。出だしと最後の有名人ダジャレはあまり面白くなかったが(失礼)、落語は最高! SFコレクターの家に入った泥棒(これもSFファンという設定)の驚きが見事に表現されていて、いや、笑った笑った。一番からハヤカワ文庫がそろっていたり、サンリオやソノラマ海外がしっかりそろっていたり、SFマガジンは無論創刊号からハヤカワ・ハイまでそろっていたり、とにかくこのコレクターが他人とは思えない(笑)。オチもキレイに決まって、見事なオープニングでした。

 食事時間までPXで古本を売る。翌朝までに売れた古本は約60冊。ダンボール二箱ぐらいかな。昔懐かしい人たちや名古屋大SF研の若手二人と話したり、会誌を買ったり。この会誌(Pitという名前)がなかなかすごくて、奇想コレクション全レビューやハヤカワJコレクション全レビューから日本ホラー大賞全レビュー、ミステリ・フロンティア全レビューなど、SFにとどまらない意欲的な企画が続々登場している。OBとして実にうれしく思った次第。顧問のYくんも来ていたので、来年の名古屋大SF研30周年記念イベントについて少し打ち合わせ。20周年は何もしなかったので、30周年は絶対やります!
 
 最初の企画は途中からSFカルタに行ってみる。これはSFの名文句を言って、作品名の書いた札を取るというもので(たとえば「はらいそさ行くだ!」で諸星大二郎「生命の樹」を取るとか)、この作品はこの文句でいいのかということをいろいろ討論した。

 二コマ目はミュータンツの歴史を辿るパート2。天星さん作成の年表をもとに昔話。ちょうどメイコン3あたりから参加し、80年代前半で退場。メイコン3で上映されたフィルム(「THX1138」「サイレント・ランニング」「ダーク・スター」)は中子真治氏から借りたものであることが判明したのが収穫であった。

 三コマ目は自分の企画「SF文庫の歴史を辿る」。準備不足で創元の初期を詳しく紹介したあと、創元全体とハヤカワ全体を駆け足で紹介するに留まる。角川はそんな大したことない文庫だけれど受け狙いで紹介。サンリオ、ソノラマ、その他は写真を見せるだけといういい加減さ(ごめんなさい!)。それでも、来てくれて最後まで聞いてくれた方たち、どうもありがとうございました。なかなか更新できませんが、ホームページで少しずつ研究成果を発表していきますので、よろしくお願いします。

 今回は、若尾さんが実行委員長ということで、オークションも気合が入っており、11時30分から3時頃まで延々と行われた。自分の企画が終わってからあわてて参加し、最後までつき合う。なかなか珍しい本が安く手に入るので見逃せないのだ。明治時代の押川春浪編集の雑誌「冒険世界」を2,000円台(!)、「幻想と怪奇」を1,000円以下で手に入れてほくほくする。いや、こんなに安くていいんでしょうか。そんな中、バンバン高値で落札していく剛毅な人が。誰あろう、東京から愛知に戻ってきた大野典宏さん(「SFマガジン」で「サイバーカルチャートレンド」を連載中)でした。大野さん来るならゲスト扱いにすればいいのに。

 さて、後は少し寝て、朝食後はいつものように早めに失礼する。今年も十分楽しめました。また次回(3年後?)を楽しみにしています。